古今東西の美 |BIG APPLEの旅 第9話


ニューヨークの数あるミュージアムの中でも、筆頭に上げられるのはやはりメトロポリタン美術館でしょう。1880年に開館した壮麗な建物の中に一歩足を踏み入れると、嫌が王にも期待が膨らみます。

メトロポリタン美術館The Metropolitan Museum of Art

世界最大級の美術館の一つで、絵画・彫刻・写真・工芸品ほか家具・楽器・装飾品など約300万点の美術品を所蔵。



公式サイトへ

その膨大なコレクションを短時間で全て見るのは不可能なので、今回は同行4人が1つずつ希望を出して、そこを中心に見ていくことにしました。

まずは古代エジプト。紀元前のものが当時の姿のままに目の前にあるというだけで感動します。



南米の旅ですっかりミイラが苦手になった動物好き(南米の先住民にもミイラの風習がありました)は、極彩色に彩られた王家の棺を見る度に、中にミイラがあるのではないかと恐る恐る覗いていました。


バレリーナの絵が見たいという"いちご好き"の希望で、ドガを含む印象派のセクションを回りました。名だたる印象派の画家の作品がずらりと並んでいます。




大人の絵画鑑賞は、とかく印象派とか有名画家などという知識にひきづられがちですが、6歳の子供の「このきれいなバレリーナの絵が好き」という直感的な鑑賞はとても潔く、新鮮な気持ちで絵画に相対することができました。

「獅子の上半身がついた容器」は紀元前6〜5世紀頃にアケメネス朝ペルシャで使われていたものだそうです。



ガイドブックで見て想像したより小さいものでしたが、黄金色に輝いていました。

最後はフェルメール。「水差しをもつ若い女」、「少女」など3点が並んでいます。



フェルメールの絵の前にはちょうどベンチがあり、そこに腰掛けてフェルメールの絵をゆっくり眺めていると、独特な光と影の世界に不思議な静寂を感じます。

もう時間がないのでそろそろ行かなければというところで、ため息が出るほど美しい19世紀のティーセットを発見。まだまだ見たいものが一杯でしたが、後ろ髪を引かれる思いで、美術館を後にしました。ぜひまた訪れたいものです。