原爆の子

ここ1ヶ月、こちらのインターナショナル・スクールでは
たくさんの折り鶴が折られています。ハイスクールの若い先生お二人が
ガンで闘病生活に入られることになり、日本人の高校生が、千羽鶴を
折ってお二人の先生に送ろうとみんなに呼びかけました。初めは高校生が
中心でしたが、次第に中学校、小学校にも輪が広がり、何千羽もの
折り鶴が集まりました。



学校の先生や生徒の皆さんに鶴の折り方を教える時に、広島平和記念公園の
「原爆の子」像のモデルとなった佐々木禎子さんの話が紹介されました。
原爆による白血病と闘いながら鶴を折り続け、若くして逝った少女の実話です。
これをきっかけに、"動物好き"のクラスを含む4年生の3クラスで、
先生方が"SADAKO AND THE THOUSAND PAPER CRANES"という話を
国語の教材として取り上げて下さることになりました。



授業では、テキストにマーカーで線を引きながら、禎子さんや禎子さんを
見守る家族の気持ちなどを丁寧に読み込んでいったようです。子供達が
「empathy(共感)」について考えられるようにということで、茶色の紙袋を
灯篭に見たてて、亡くなった近親者やペットの名前、平和への願いも書きました。



また、ストーリーの理解を深めるため、生徒一人一人に鶴を
一つ折ってもらいたいという先生方のご希望で、3クラスがホールに集まって、
テキストの第7章を読んだ後、みんなで鶴を折りました。日本人の母たち6人も
折り紙のお手伝いに入りました。折り鶴は難しいところも何カ所かありますが、
全員の鶴が完成しました。この合同授業を指導して下さったのは
とても日本語がお上手な日本通の先生です。テキストを読みながら、
時々涙で声を詰まらせていらっしゃいました。子供達の心にも
何か響くものがあったことと思います。

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