神秘のモアイ | モアイを巡る旅第3話

イースター島でまず最初に訪ねたのはイースター島博物館です。




ごく最近改装されたそうで、イースター島の歴史・文化やモアイが作られる工程、運搬方法の仮説などが、スペイン語と英語併記のパネルで詳しく説明されています。



展示の目玉は、文字通り、発掘されたモアイの「眼玉」です。実は、モアイはアフと呼ばれる祭壇に立てられて、眼を入れられた状態が完成形で、その昔すべてのモアイには眼が入っていたのだそうです。

発掘された眼

イースター島に初めてポリネシア人がやって来たのは5世紀頃と言われています。その後11世紀頃に突然巨大なモアイの製造が始まったようです。時を同じくして島の人口は急増。人口爆発が起こり、限られた資源を求めて島民同士の激しい争いが始まります(安田喜憲「モアイは語るー地球の未来」)。17世紀頃に起こった部族間のモアイ倒し戦争です。モアイの眼には霊力が宿ると考えられていたため、戦いの中でモアイはすべてうつ伏せに倒され眼は破壊されました。現在発掘されて残っている眼は二つしかないそうです。確かに、海岸に整然と並ぶモアイすべてに眼が入っていたとしたら、かなりの霊力が感じられたことでしょう。

続いて、近くのタハイ儀式村まで歩きました。海外沿いに5体のモアイが並び、その近くに1体と、更にもう1体頭にプカオと呼ばれる髷(まげ)らしきものをつけ、模造の眼が入ったモアイがあります。モアイは村の守り神として、海を背にして、村を見守るように立てられています。特徴的な顔立ちで、日本でも有名なモアイですが、モアイの魅力は、白い雲の浮かぶ青空と紺碧の海を背景にしてこそ引き立ちます。

目の入ったモアイ


夕焼け空をバックに


そのまま日暮れの時刻を待ちました。茜色に染まる夕焼け空にシルエットで浮かび上がるモアイは神秘的です。

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