本当の冒険 | 秘境アマゾンとナスカの旅 15

雨季に訪れたアマゾンですが、晴れ女のパワーが勝ってか、ものの5分の内に過ぎるシャワーのような雨を除けば、初日以外はほぼ晴天に恵まれました。1月はなんとずっと雨が降り続き、マードレ・デ・ディオス河は歴史的な増水を記録して、ニュースにまでなったのだそうです。下流で村全体が水に浸かった住民は、全員上流のプエルト・マルドナドの町に避難しており、一部のロッジは浸水で一時的に閉鎖されていました。1月の悪天候からすると、滞在中3日間晴れたことはかなりの幸運でした。2月の久しぶりの太陽に、ジャングルに隠れていた動物たちも姿を見せてくれたのかもしれません。

ロッジの不思議な花

3日目午後は、ボタニカル・ガーデンとクレイ・リックを見に行くべく出発しました。ところが、ボタニカル・ガーデンまで後少しという所で、道が完全に水没、進路を阻まれました。ガーデンはジャングルの植物がまとまって植えられているだけで、そこの植物はジャングルの中でそれぞれ見ることができるというガイドさんの説明もあり、こちらはあきらめてクレイ・リックの方へ向かうことにしました。


方向を変えて進み始めましたが、こちらの道も大雨で水没。困っていると、"鉄道好き"が「長靴を脱いで、ズボンをまくりあげて、そこだけ素足で渡ってはどうか」とアイデアを出し、それで前進することにしました。ガイドさんも「ほんとの冒険だね」と話していました。

毎日ジャングル

ジャングルの中の獣道のような小道を歩いて、クレイ・リックと呼ばれるポイントに着きました。クレイは英語で「粘土」で、小川の土手にむき出しになった粘土質の崖があります。この粘土にはミネラルが含まれています。リックは「なめる」の意で、乾季には野生のオウムやインコなどの鳥や哺乳動物がこれを舐めにくるそうです。餌として食べる植物や動物に含まれる毒素をミネラルで中和するためにこの粘土をなめると言われています。人間は対岸に作られたネット張りの小屋でこっそりその様子を観察します。



ガイドさんによると、このクレイリックはいろいろな種類の動物が集まる公園のような場所になっていて、粘土をなめるだけでなく、伴侶を見つけたりということもあるそうです。動物たちを見るためには、乾季の朝4〜5時頃来なければならないそうで、今回は残念ながらクレイの崖を見るだけになりました。


小屋のネットから---写真中央が粘土質の崖です

それでも、ジャングルの中、人一人やっと通れるほどの道を、ぬかるみに足を取られながら進んでいるとジャングル探検の気分が盛り上がりました。