木工ボンド強盗?

最終日の最終目的地はコロン劇場です。ミラノの
スカラ座、パリのオペラ座とともに、世界の3大
劇場と称されているだけのことはあり、外観も
ヨーロッパ風のクラシックな佇まいです。



折角なので、少し遠くから全体をカメラに収め
ようと広い大通りの横断歩道を渡りきったとき、
後ろから男性がスペイン語でなにやら話かけて
きました。初めはよくわかりませんでしたが、
身振り手振りで何か背中についていると言って
いるようです。首をよじってみると、背中に
異様な白いクリーム状の筋が見えます。

やられました!これこそ『地球の歩き方』で警告
していたケチャップ強盗に違いありません。本人が
気付かない内に背中にケチャップ、マヨネーズ、
接着剤などをかけて、さも汚れに気付いた親切な
通行人を装って話しかけ、汚れに気を取らせている
間にバッグなどを盗み取る手口のようです。

すぐにピンと来て、その男性に「ノ―」と断った
ところ、すかさずもう一人の男性がやって来て
いろいろ英語混じりで話しかけてきましたが、
ひたすら「ノ―」と言って、なんとか難を逃れました。
犯人は2人組のことが多いそうです。やはりここは
外国。油断は禁物です!

なんとか木工用ボンドはふき取ったものの、まだ
ボンドのにおいをぷんぷんさせながら、コロン劇場
のガイドツアーが始まりました。

音響が素晴らしく、22人の有名指揮者に世界で
一番演奏しやすい劇場はどこかと尋ねたところ、
コロン劇場が1番に選ばれたのだそうです。





劇場内にはイタリアから運ばれた石、
フランスの画家の絵などヨーロッパへの憧憬が
詰まっていました。古いシャンデリアのほの暗い照明
の中にいると、現実世界から隔絶された別世界に来て
いるようです。



この中でオペラを見たら、さぞその世界に
入り込めることでしょう。

             by ケーキ好きcake