美術への情熱 | Big Appleの旅2


ニューヨークには大小様々な美術館があり、美術館巡りも楽しみの一つですが、今回は是非一度訪れてみたかった"The Frick Collection"へ足を運びました。ここには実業家ヘンリー・クレイ・フリックが私財で集めた絵画や彫刻などの美術品が展示されています。フリックは鉄鋼業で栄えたピッツバーグ近郊で製鉄に使われる石炭燃料コークスを生産する会社を興して財を成しました。マンハッタンの高級住宅街アッパーイーストサイドにあるフリックの大豪邸が美術館に改装されています。建築当初からいずれは美術館として一般公開することを念頭に建てられたようです。



チケットを購入して一歩中に入ると高い天井と2階に向かうレッドカーペットの敷かれた長い階段が目に入ります。美術品が展示されている部屋には、暖炉や豪華なシャンデリア、マホガニーのテーブルなどの高級家具があり、住居として使われていた往時の上流階級の暮らしが偲ばれます。

こちらでも無料の音声ガイドサービスがあって、主要な作品の解説を聞くことができます。鑑賞の時間が限られていたので、主だった作品の解説に絞って聞きましたが、由来や見所などがよくわかり、作品がより印象に残りました。

アングルの「ドーソンヴィル伯爵夫人の肖像」、フェルメール「中断されたレッスン」「婦人と召使い」など3点、ターナーの「ディエップの港」などゆっくり足を止めて見たい作品が並んでいます。

フリックが生涯をかけて収集した選りすぐりの美術品が、豪華で落ち着いた邸宅の佇まいに調和し、ゆったりと時間が流れていきます。この小さな美術館が名だたる大美術館と並んで高く評価されているのもうなづけます。